辺境の奇譚紀行

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夢のアムール越え5日目ハルピン

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ハルピン中央大街(旧キタイスカヤ通り)天気が悪くて通行人にモザイクいらないほど写りが悪い。

ハルピンを歩く 

黒河からの列車は早朝予定通りハルピンへ到着。あとは2日後の飛行機に乗って帰るだけなので、丸2日時間がある。

ハルピンは黒龍江省の交通の要所だ。今は新幹線もガンガン走っているみたいだが、私が中国東北部に通っていた頃はなかったので、だいたい北京から夜行で朝着いて、その日の夜に次の街へ向かう、というのを繰り返していた。乗り換えばかりだけど、何回も訪れているので正直行くところがないし、行動もパターン化されている。

と、言うわけでホテルに荷物を置いたら中央大街(旧キタイスカヤ通り)へ向かった。

松花江を眺める

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写真がなかったので昔撮った遠景。水量がかなり少ない。

旧キタイスカヤ通りの街並みを楽しんだらそのまま松花江(スンガリー川)へ。ちょうどハルピンの街の辺りで川幅が広くなっており、対岸まで果てしない。松花江はこの後ハルピンを離れて北上し、愛しの黒龍江と合流する。こんな大河でも黒龍江の支流扱いである。

河辺はスターリン公園という名前で、松花江の氾濫を防いだ記念の「防洪記念塔」が写真スポットだ。川の氾濫というと局地的な大雨が降って一気に濁流が押し寄せるイメージだが、松花江は勝手が違うらしい。以前読んだ本によると、これだけの大河になれば上流で大雨が降っても増水するまでに1ヶ月以上のタイムラグがあるので、その間にいかに防げるかがポイントになる。決壊すると水がジワジワと増える分、引くのにも時間がかかるので疫病などの問題も発生し、長期的な被害を被ってしまうというわけだ。

ゴンドラが怖い

他に行く所もないので、松花江を渡るゴンドラ(ロープウェイ?)に乗ってみる。せっかくだから行きは船で太陽島(対岸)に渡ったところ、天気が悪くて雨が降ってきたのでそのままゴンドラ乗り場へ向かった。ただの乗り物好きと化す。

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この高さ!船で渡るときより遠くに感じる。スピードの問題か?

わくわくしながら乗って上空からの松花江を楽しんでいたが、先を進むにつれて怖くなってくる。乗り物に乗っている分には高い所が苦手というわけではないが、見た目よりも対岸は遠いし、周りに何もないので余計に高さを感じる。おまけに「ここは中国」という心理的な恐怖も大きい。

実は2017年の康定でロープウェイに乗った時(これに、このゴンドラが怖かったという事を思い出したが、怖さ的には康定>松花江だ。

聖ソフィスカヤ大聖堂を見学

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広場になっていて結婚写真などの撮影スポットになっている。

松花江を堪能して適当にフラフラしていたら聖ソフィスカヤ大聖堂があったのでせっかくなので入ってみた。ハバロフスクでもブラゴヴェシチェンスクでも教会には勝手に入って勝手に見学していたので、入場料が必要というところで我にかえる。

中にはハルピンの歴史紹介のパネルとみやげ屋があり、天井まわりの装飾を除いてロシア正教の面影は薄い。重厚感のある外観でとても立派な建物だが、やはり人々の信仰の場としてたたずむ「現役の教会」の魅力にはかなわない。私は正教徒でもないし、他の何らかの教徒でもないが、人々の信仰を失って単なる歴史建造物になり果てたこの大聖堂には自分でもびっくりするほどがっかりしていた。

 

情報は2013年6月のものです。