辺境の奇譚紀行

ちょっと変わった地域のどうでもいい情報を発信

夢のアムール越え3日目ブラゴヴェシチェンスク

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これがあのブラゴヴェシチェンスクの街だ!

ついにあの聖地にたどりつく

7:44に列車はブラゴヴェシチェンスクへ静かにたどりついた。本当に何も言わないので、しばらく到着したのに気がつかなかったほどだ。

駅前のホテルにチェックインして、まだ時間が早いので休憩がてら二度寝した。

黒河の街をロシア側から見る

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ようやく黒河の街をロシアから眺める。

二度寝から起きてブラゴヴェシチェンスクの街を探索しながら、港までの道のりを確認する。アムール河まで駅からまっすぐと思っていたが、徒歩だとかなり時間がかかる。そしてまずはアムール河、というか黒龍江と数年ぶりに対面!

黒龍江が滔々と豊かな水量を誇る時も、時が止まった様な凍てつくの大地の時も、その向こうに見たあのブラゴヴェシチェンスクからついに黒河を眺めることができた。夢は追い続ければいつか叶う。アイシャルリターンとつぶやいた黒河からブラゴヴェシチェンスクまでは長い、長い道のりだった。

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中国行きの港。街中からここまでも歩くと長い道のりだ。

しばらくアムール河を眺めてから港に着くと、ちょうど船が着いた時間らしく中国人が大勢いた。観光客みたいな人も行商らしき人もいる。近くにあったバス停が街の中心と駅を結んでいるので番号を確認して街中に戻った。

散歩しかやることがない

昼食をとった後は街中を散歩する。これという観光地もないのでスーパーや市場を回った。市場の一角に中国系のひとが集まって店を開いており、まるで中国にいる様な雰囲気だ。

黒河にはロシアみやげの店やマトリョーシカのオブジェが道路にあったり、国境の街アピールを色々と目にしたが、ブラゴヴェシチェンスクは特に浮かれた雰囲気はなく、唯一この市場が中国的であった。しかし、単純に中国から輸入した商品をロシア人に売っているというだけで、日用品しかない。昔、タクシーのおっさんが口にしていた「貧しかった」という印象は感じないものの、日本とは違う意味で中国製品への依存率の高さを感じる。

ブラゴヴェシチェンスクと言えば、私にとって「黒河の向かいの街」が大部分を占めているが、一般的には「アムール河の流血」(アムール川事件)が主流だろう。義和団事件に端を発するロシアによる中国人の虐殺事件は、石光真清の手記に詳しい。ブラゴヴェシチェンスクという街に説明し難い求心力を感じていたのは、この手記による部分も大きいだろう。

 

情報は2013年6月のものです