辺境の奇譚紀行

ちょっと変わった地域のどうでもいい情報を発信

夢のアムール越え エピソード0

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すべてはここから始まった・・・。黒河(中国)から見たロシアとの国境黒龍江(2005年10月)

中国東北の黒龍江省に黒河(ヘイフー)という街がある。省名にもなっている黒龍江(ロシア語でアムール河)が街のすぐそばを流れており、対岸はロシアだ。

黒河の他にも臨江、丹東、揮春、集安などで国境自体は目に?していたが、こちらはあまり自由に行き来している感じはしない。しかし黒河は違っていた。街の規模の割に旅行会社が多く、どれもロシア1泊2日やら2泊3日コースという看板がバシバシ出ている。タクシーの運転手も「行ったことがあるよ、誰でも行けるよ~」とか簡単に言ってくれる。

以前、北京からモスクワ行きの列車に乗れないか調べた際に分かったことだが、ロシアを旅行するのは本当に面倒くさい。中国も2週間以上滞在する際はビザが必要だが、とりあえず金を払えばもらえる。しかし、ロシアは交通手段と宿泊の予約をしてインビテーションを取り寄せて・・・とか色々あるので実際問題として旅行会社にまとめて依頼しなければならない。

そんな、私にとっては気軽に行けない国なのに、この中国の最果てのちっこい街に住むおっさんは気軽に「特に何もなかった。貧しかった。」とか言ってのけるのだ。おそらく地元の人だから可能な、パスポートやらビザの緩和で気軽に行けるのだろうけど、ものすごく悔しい。日本のパスポートは強いとか聞くがここでは無意味だ。

河の向こうはどんな別世界なんだろうか、やっぱりヨーロッパ的なのか、ロシア料理はうまいのか、そもそも中国人(しかも上海とか北京とかの大都会じゃない街の人)が「貧しかった」ってどんだけなんだ、でも黒河で見たロシア人はすごい量の買い物してたな、なんて2年間で都合3回黒河を訪れるたびに、黒龍江とその対岸を指をくわえてあこがれを募らせていたのである。

金の力が使えるようになる

ブラゴヴェシチェンスク(向かいの街)は、そんないつか行きたい 個人的な秘境リストに入っていた中、就職したので時間はないが金は(昔よりか)ある状態になった。そして、奇跡的に7日間の休みが取れたので、ついに実行する時が来た!

色々と調べた結果、ウラジオストックハバロフスク→ブラゴヴェシチェンスクという列車があることがわかったので、東京→ハバロフスク→ブラゴヴェシチェンスク→黒河→ハルピン→東京という、往復箇所がないゴールデンルートが出来上がった。ビザの関係があるので東京からブラゴヴェシチェンスクまでは旅行会社にお願いする。昔に比べたら金はあるといっても相対的にはないので、黒河→東京は現地調達も含めて自分で手配することにした。

ガイドブックにもないロシア部分は旅行会社頼みだが、ネットでも情報が少ないので一例として顛末を紹介したい。